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渡り鳥の聖地で、失われた東京湾の美を求めて

都会の片隅に残った自然の息吹

 干潮を迎えた遠浅の干潟に、何百羽ものシギやチドリなどの渡り鳥が見える。泥地にひそむエサを求めて機敏に体を動かし、忙しそうに歩き回るもの。時折、エサを奪いあっては威嚇し、空へと舞うもの。その足元には数十匹のカニがひしめいていた。遠く耳をすませば、浅瀬にあるヨシ原からも「ツーツー」「チッチッ」と数種の鳥のさえずりが届く。ヨシの間にチラチラと見え隠れしているのはカルガモのファミリーだろうか。数匹の仔ガモを連れて姿を現し、つーっと水面を渡り、たちまちヨシ原に消えていった。
 在りし日の東京湾の姿を今も心に留めている人がどれだけいるのだろうか。昭和初期までこの湾一帯にはこうした景色が広がっていた。シベリアやオーストラリアなどから飛来する渡り鳥が羽を休める、世界でも有数のサンクチュアリー(聖地)。ほとんどが60年代からの埋め立てで姿を消したなか、奇跡的にもその役割を未来へとつなげることができたのが、この谷津干潟だ。保護活動が盛んになり93年ラムサール条約に登録されると、往時に近い種類豊富な生き物たちが戻ってきた。
 干潟をめぐる散策路は野鳥愛好家はもちろん、ジョギングや散歩をする多くの人に親しまれている。自然観察センターで大人にまじってガイドを務める中学生と出会った。彼はカワウが翼を広げて飛び立つ姿にひと目惚れし、ガイドになる決意をしたという。センターを訪れた観光客に積極的に声をかけ、干潟の魅力を一生懸命語っていた。
 ふと見れば、時はちょうど満潮。干潟は消え、シギやチドリは去り、そこには静かな湖があった。潮の干満によって刻々と変化する聖地の美しさは、きょうも多くの人々を虜にしている。

 マップ

【自然観察センター】

干潟の野鳥や自然観察の心強い味方となってくれるのがここ。双眼鏡や望遠鏡が随所に置かれ、指導員の解説のもと、楽しみながら干潟の魅力にふれることができる。

●アクセス:京成線谷津駅から徒歩30分
●住所:千葉県習志野市秋津5−1−1
●問い合わせ:習志野市谷津干潟自然観察センター(電話:047-454-8416)
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